国土交通省は、建設業法改正で建設業許可の業種区分に解体工事業が新設されることに伴い、有識者らで解体工事業の技術者制度について議論する「解体工事の適正な施工確保に関する検討会」を発足させる。8月4日に初会合を開く。解体工事の適正な施工の確保に求められる技術・知識を整理し、配置される技術者の資格を決める。新たな業種区分が施行される2016年度までの早期に解体工事業に求める技術者資格を決める。
建設業法が今通常国会で改正され、1971年に建設業が登録制から許可制に移行し、現在の業種区分を設けて以来43年ぶりに業種区分を見直し、29番目の新業種として解体工事業を加えたことを受けての措置。
解体工事業が建設業法に基づく許可業種となったことで、解体工事業の許可を取得する建設業者は、解体工事の現場に一定の資格・経験を持つ技術者を置き、技術上の管理を行うことが求められるようになる。
現在、解体工事の施工は「とび・土工・コンクリート工事」の許可で施工が可能。とび・土工に求められる技術者資格は▽建設機械施工技士▽土木施工管理技士▽建築施工管理技士▽技術士▽技能士▽地すべり防止工事士―となっている。
また、解体工事に特化した民間資格として、全国解体工事業団体連合会が運営する「解体工事施工技士資格」もある。
検討会では、解体工事の技術者に求められる技術・知識を整理した上で、これらの既存資格の中から解体工事に適した技術者資格や、主任技術者・監理技術者それぞれの実務経験などを決める。
解体工事業の許可は、公布から2年以内に施行されることになっており、実際に許可を取得できるのは16年度以降となるため、施行までの早い段階で解体工事業の技術者制度を固める。施行後3年間の経過措置も設けられるため、経過措置期間中は、とび・土工の許可や従来の技術者配置で解体工事を施工することができるようにする。
提供:建通新聞社