国土交通省と日本建設業連合会(日建連)は30日、各地方整備局との意見交換会で示された直轄工事の現場における課題について話し合うフォローアップ会議の初会合を開いた。主なテーマは、工程表と全体工程を左右する「クリティカルパス」を受発注者間で共有できる体制の構築と、週休2日の徹底などによる適正な工期確保のための仕組みづくり。各地整で進める試行の成果なども踏まえ、業界側の意見を制度設計に反映させる。
毎年度行っている各地方整備局と日建連支部との意見交換会や、同省本省と日建連土木本部との報告会で議論された適正工期などの施工現場に関するテーマについて、事務レベルのフォローアップ体制を構築する。
初会合の冒頭で、田村秀夫大臣官房技術調査課長は「適正工期の確保に向けて、すでに先駆的に取り組んでいる地整もある。こうした動きを全国に展開したい」と述べるとともに「今回の会議は、単なる意見交換ではなく、しっかりと成果を出すことが重要なテーマになる」と意気込みを語った。
フォローアップ会議で主に議論されるテーマのうち、工程表・クリティカルパスの受発注者間の共有体制の構築に向けては、すでに中国地整が発注したトンネル工事(ト受注者・西松建設)で試行を始めており、会議の中でこの試行における課題を抽出し、全国の地整に試行を拡大する。
適正な工期確保のための仕組みづくりについては、週休2日を原則とするモデル工事を実施する際の対象工事や、土日稼働の承諾要件などについて議論する。
国交省と日建連は、四半期に1度のペースで会議を開き、14年度末までに議論の成果をとりまとめる。当面は、直轄工事の発注事務や施工管理における具体的な運用をテーマとするが、地方自治体の発注工事への展開も視野に入れている。
提供:建通新聞社