国土交通省の毛利信二土地・建設産業局長=写真=は、全国の地方整備局に市町村長を招き、改正公共工事品質確保促進法(品確法)への理解を求めるとともに、同法の運用指針について意見交換する。31日の関東地整を皮切りに8月末までに全国9ブロックで市町村長と直接会談する。本省局長級が地方に赴き、市町村長と意見交換するのは極めて珍しいケースで、改正品確法の運用に掛ける同省の強い意向を地方の発注者に示す狙いがある。
国交省は現在、監理課長等会議、発注者協議会、地方公共工事契約業務連絡協議会(地方公契連)などに加え、改正法に関する説明会を開き、地方の発注者と建設業界に改正品確法の浸透を図っている。
一方で、市町村の発注工事における入札契約制度には、各市町村長の意向が強く反映されるケースが少なくないが、改正法成立後の説明会などの参加者は、自治体の事務方に限られている。毛利局長が市町村長と少人数で意見交換し、改正品確法の趣旨に沿った発注関係事務の運用を直接働き掛ける。会談には、山田邦博大臣官房技術審議官ら技術系幹部も同行する。
改正品確法では、建設産業の中長期的な担い手の育成・確保に配慮することを発注者の責務と定め、この理念に沿って入札契約などの発注関係事務を運用するよう求めている。発注関係事務を実施する上で発注者の共通ルールとして、国が発注者関係事務に関する運用指針を策定することも求めている。
この運用指針に、毛利局長との会談で出される市町村長の声も反映させる。国交省は、説明会などで出される意見なども反映し、年内にも運用指針をまとめる方針だ。
意見交換会の日程は次の通り。
▽関東―7月31日▽四国―8月6日▽中国―8月7日▽中部―8月8日▽近畿―8月18日▽北陸8月19日▽北海道―8月22日▽九州・沖縄(8月26日▽東北―未定
提供:建通新聞社