建設業振興基金(内田俊一理事長)は、建替計画が進んでいる富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)を核とする技能労働者の教育訓練体系を構築するため、元請け、専門工事業、教育訓練機関などを集めたコンソーシアムを今秋にも立ち上げる。富士教育訓練センターが遠方にあるために頻繁に活用できないユーザーに対し、全国の各ブロックごとに拠点となる教育訓練施設を配置したり、同センターと共通のカリキュラムを活用して地域単位の教育訓練を充実させるなど、同センターを「中核的センター」と位置付けた教育訓練体系を全国規模で構築する。
富士教育訓練センターについては、2014年度中に建替工事に着手し、老朽化した既存施設のリニューアルと機能拡充を図る計画が進んでいる。
ただ、富士教育訓練センターをめぐっては「同センターを活用したいが、地理的な問題があるため、分校を設置してほしい」「地元ブロックに訓練校が1校もない」「遠方にあるために継続的に活用できない。出前講座を増やしてほしい」などの声が挙がっている。
振興基金では、13年12月にまとめた「建設産業の人材確保・育成方針」で、建て替えを契機に同センターを「中核的センター」と位置付け、技能労働者の教育訓練に関係する教育機関や建設業団体と連携し、同センターを中心とする一貫した教育訓練体系を全国規模で確立する方向性を示した。
今秋に設置するコンソーシアムには、元請け・専門工事業団体、教育機関(高校、大学、専門学校)、行政機関などが参加。富士教育訓練センターと連携し、教育訓練体系の構築に向けた各教育訓練機関とのネットワーク化、若年者の入職促進に向けた広報に活用するツールの開発などの役割を担う。
近畿地区における三田建設技能研修センター(兵庫県三田市)など、全国のブロック単位で拠点となる教育訓練施設を配置するとともに、富士教育訓練センターが教育訓練プログラムやテキストを作成し、各都道府県で全国共通のカリキュラムを受講できる体制を整える。
提供:建通新聞社