日本建設業連合会(日建連)は「建設業の中長期ビジョン」の策定作業に着手した。デフレ脱却局面を背景とした「たくましい建設業の復活」に向け、会員企業を含め全ての建設業の経営計画に役立ててもらうのが目的。18日の総合企画委員会でフレーム骨子を議論し、若者の入職促進や女性活用で数値目標を定め、人口減少社会における業界規模も示すことなどを確認した。12月の中間報告を経て、来春に最終成果をまとめる。
中長期ビジョンの策定は2014年度の事業計画で打ち出していたもの。国土交通省・建設産業活性化会議の担い手確保に関する中間とりまとめや、国土のグランドデザインを参考にして、「中長期」(2015〜25年、20年までは集中対策実施期間)と「超長期」(25〜50年)に分けて方向性を整理する。総合企画委の下に複数のワーキンググループを設けるとともに、他の委員会などとも連携して「全員参加型」で作業を進める。
若者の入職促進や女性活用の数値目標は「中長期」の中で定める。東京五輪前後の10年間の国内建設市場を予測し、それに必要な労働力(技能者数)を弾き出して数値目標の根拠にする。人材不足を補う技術革新などにも言及しながら、建設生産システムを合理化するための方策を盛り込む。
一方、人口減少社会における業界規模は「超長期」の中で示す。人口減少に連動して業界規模も縮小するとの見方を基本にしながら、巨大災害の切迫や新興国の経済発展などに伴う建設需要の増減も考慮して推計。それに基づく建設業の役割と在るべき姿を導き出した上で「実現への道筋を示していきたい」(中村満義会長)考え。
提供:建通新聞社