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中央ニュース

2014/07/09

改正品確法等説明会8日から

 国土交通省は、8日から改正公共工事品質確保促進法(改正品確法)などに関する地方自治体・建設業団体向けの説明会を全国9ブロックで開き、改正品確法に基づく「発注関係事務の運用指針」の骨子イメージ案を示す。イメージ案では、発注者が発注関係事務の各段階で考慮すべき項目を整理し、改正法の趣旨に沿った発注関係事務として▽週休2日の確保を踏まえた適切な工期設定▽一定期間を越える工事における債務負担行為の活用▽全工事での低入札価格調査基準などの設定▽社会保険等加入の徹底―などを例示した。
 運用指針は、改正品確法で規定された発注者責務に基づいて発注関係事務を実施するための、発注者の共通ルールとなるもの。改正法では、自治体や事業者などの意見を反映し、国に運用指針を策定するよう求めており、国交省はすでに6月に「項目イメージ」をまとめている。
 骨子イメージ案は、項目イメージをブラッシュアップさせたもので、各発注者が中長期的な担い手の育成・確保に留意して実施する発注関係事務を公共工事の各段階(調査・設計、工事発注準備、入札契約、工事施工、完成後)で整理している。
 工事発注の準備段階では、発注者が工事・地域の特性や自然条件に加え、技能労働者が週休2日を確保できるよう、不稼働日を踏まえた適切な工期を設定するべきと明記。一定期間を越える工事には債務負担行為を活用し、施工時期を平準化することも求めている。
 入札契約段階では、社会保険未加入企業の排除に取り組むことも明記した。若年入職の促進を図るため、過去の工事実績要件を緩和するなど、若手技術者の配置に考慮した競争参加資格を設定することも要請。ダンピング対策として、予定価格の事後公表、全ての工事に低入札調査基準と最低制限価格の設定も求めた。
 公共工事の各段階での対応に加え、発注関係事務を適切に実施するための環境整備として、工事成績データの共有化・相互活用にも取り組む。具体的には、積算要領、仕様書、施工管理基準などの標準化・共有化、工事・業務成績評定の標準化とデータベース整備を求めた。
 このほか、改正品確法の柱の一つである多様な入札契約方式を選択する際の留意点に「工事の技術難易度」「工事完成の緊急度」「工事価格・仕様の確定度」「維持管理の状況」の4点を提示。加えて、政策目的に応じた入札契約方式として▽地域インフラを支える企業を確保する方式▽若手技術者の配置を促す方式▽補修の技術的課題に対応した方式▽発注者を支援する方式―の4方式を例示している。
 国交省は、8日に近畿ブロックで開く説明会から、改正建設業法と社会保険未加入対策の強化と合わせて改正品確法の運用指針の骨子イメージ案を建設業団体と自治体に説明。各ブロックの説明会が終了する8月中旬以降、参加者らにあらためて運用指針について意見を募る。

提供:建通新聞社