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2014/06/28

コンパクト+ネットワークで国土づくり

コンパクト+ネットワークで国土づくり ※戸塚祐介 3段 国交省 仮見出し―「コンパクト+ネットワーク」で国土形成 「高次地方都市連合」を構築 国土のグランドデザイン案》

 国土交通省は27日、2050年を見据えた中長期の国土ビジョンとなる「新たな国土のグランドデザイン」の案をまとめた。急激な人口減少と少子化で無居住化や地域消滅の危機が生じている中で「コンパクト+ネットワーク」をキーワードに国土づくりを進める方向性を提唱。生活機能を集積した「小さな拠点」の形成や、ネットワーク化した地方都市が機能を分担・連携する「高次地方都市連合」の構築などを基本戦略として示した。
 国交省では、50年には現在の居住地域の6割以上の地点で人口が半分以下に減少し、うち2割が無居住化と地域消滅の危機にさらされると推計。高レベルの都市機能を維持するためには一定の人口規模が必要なものの、3大都市圏を除いた人口30万人以上の都市圏は61から43に激減することが見込まれるという。
 こうした現状から今回の案では、人口減少下において効率的にサービスを提供するためにはコンパクト化が不可欠だと指摘。ただ、コンパクト化だけでは圏域・マーケットが縮小し、高いレベルの都市機能によるサービスが成立するための必要な人口規模を確保できない恐れがある。
 そこで「コンパクト+ネットワーク」をキーワードに新しい集積を形成し、国全体の生産性を高める国土構造とすることを提案。集落が散在する地域で日常生活に不可欠な機能を徒歩圏に集め、周辺地域とネットワークでつなぐ「小さな拠点」を形成するべきだとした。
 都市においては、都市機能と居住機能を中心部に誘導して再整備を進めるとともに、公共交通ネットワークの再構築を図り、コンパクトシティの形成を推進する。さらに、複数の地方都市がネットワークを活用して一定規模の人口を確保し、都市機能を分担する「高次地方都市連合」を構築するなどとした。
 「インフラを賢く使う」方向性も提言し、「コンパクト+ネットワーク」による国土づくりの基盤を支える交通インフラの整備に先端技術やシステムを積極活用したり、頭脳化されたスマート・インフラへと進化させる必要性を訴えた。インフラ整備をフロー効果のみで見るのではなく、本来の機能であるストックで評価していくことが重要だとも指摘した。

提供:建通新聞社