首都高速道路会社は、国土交通省が25日に開いた社会資本整備審議会の国土幹線道路部会に、首都高速道路の更新計画を報告した。昨年12月にまとめた更新計画(概略)を精査し、総事業費を6262億円(用地費含む)と試算。このうち、大規模更新は総延長8`に3775億円、大規模修繕は総延長55`に2487億円を投じるとした。大規模修繕は全体では2024年度までに完了する計画だが、東京五輪の関連施設へのアクセスなどに利用する路線は20年までに先行して完了させるとした。
高速道路の更新に向けては、5月28日に成立した改正道路法で、料金徴収期間を15年間延長し、更新費用の財源が確保された。これを受け、各高速道路会社が更新計画を本格的に動かすことになる。
首都高速道路の更新計画では、完成後50年前後が経過して老朽化著しい5区間を大規模更新の対象とした。1号羽田線の東品川桟橋・鮫洲埋立部1・7`には912億円を投じ、14〜26年度で桟橋全体を架け替える。1号羽田線の高速大師橋(延長300b)についても15〜23年度に事業費233億円で架け替える。
3号渋谷線の池尻〜三軒茶屋区間(1・5`)では、床版の重量を増やさずに耐久性を高めるため、現在のコンクリート床版を鋼床版に取り替える。事業費は648億円、事業期間は15〜27年度を見込んでいる。
都心環状線の日本橋区間(竹橋〜江戸橋、2・9`)と築地川区間(銀座〜新富町、1・2`)については、都市再生と連携して更新工事を行うため、都市計画の調整や用地取得などを行った上で、20年の東京五輪後に着工する。事業費は日本橋区間で1412億円、築地川区間で559億円を見込んでいる。
大規模修繕については、3号渋谷線や4号新宿線など総延長55`で計画している。対象区間は、1973年以前の設計基準で設計された鉄筋コンクリート床版、78年以前の設計基準で設計された鉄筋かぶりが薄い橋梁などから、損傷状況を踏まえて選定した。
これまでは、損傷が見つかった段階で箇所ごとに修繕していたが、致命的な損傷に発展する恐れがある区間を対象に、径間単位で桁補強、橋脚補強、床版補強などを一体的に補修する。
提供:建通新聞社