復興庁は24日、東日本大震災で被災した市町村に復興交付金の交付可能額を通知した。事業費の総額は702億円(うち国費542億円)で、災害公営住宅整備事業に146億円、水産漁港関連施設整備事業に205億円などを配分。福島県相馬市で計画されている水産種苗研究・生産施設の移転復旧に対し、事業費90億円のうち設計費1億6000万円を配分する。
交付可能額の通知は9回目。県別の事業費は▽青森県3億円▽岩手県143億3000万円▽宮城県504億4000万円▽福島県39億1000万円▽茨城県4億2000万円▽栃木県6000万円▽千葉県7億2000万円▽新潟県500万円―の総額702億円。
事業別では、9市町が計画する17地区の災害公営住宅整備事業に146億円、新たに700戸分の事業費を配分した。このほか、防災集団移転促進事業に7億円、都市再生区画整理事業に52億円、水産・漁港関連施設整備事業に205億円を充てた。
福島県の水産業の復興支援に向けては、大熊町にあったヒラメやアワビなどの水産種苗研究・生産施設を相馬市で移転普及する。事業費90億円のうち、実施設計費として1億6000万円を配分した。また、震災遺構の保存に向け、岩手県大槌町の旧役場庁舎、宮城県気仙沼市の気仙沼向洋高校、同県東松島市の4施設(旧浜市小学校、旧野蒜小学校、旧JR野蒜駅、かんぽの宿)の調査費を交付する。
提供:建通新聞社