中央省庁や特殊法人など国の主な発注機関でつくる中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)は19日に開いた定期総会で、2015・16年度競争参加資格審査(建設工事)では、社会保険未加入企業からの参加申請を受け付けない、とする申し合わせを行った。これにより、15年度以降、企業単位で社会保険に加入していない企業は、国関係の工事の入札に参加できなくなる。19日の会合ではまた、8月から直轄工事で社会保険未加入の元請け・1次下請けを排除する国土交通省が、同様の取り組みを行うよう中央公契連の参加機関に協力を求めた。
中央公契連は、契約制度の合理的な運用などを目的に1983年に設置されたもので、中央省庁13機関、特殊法人(高速道路会社、下水道事業団、鉄道・運輸機構、UR都市機構など)18機関が参加している。
申し合わせは、15・16年度の競争参加資格審査の申請方法を各機関で統一するために行った。申請書類のうち、経営事項審査の総合評定値通知書で、雇用保険、健康保険、厚生年金保険の3保険の加入状況をチェックし、3保険全てに加入しているか、個人事業主などの適用除外に当たる企業以外は、申請を受け付けないことにする。
ただ、経審の受審後に保険に加入した企業は、総合評定値通知書で「未加入」と記載されているため、保険料納付の領収書を提出すれば申請を認める。
8月1日以降に入札を公告する直轄工事から、未加入企業(元請け、1次下請け)を排除する国交省は、公共工事の発注機関に同様の取り組みを行うよう要請を続けている。19日の中央公契連でも、1次下請けを含めて個別工事でも対策の強化を図るよう国の機関に呼び掛けた。
さらに、地方自治体などの契約担当者らが参加し、地方ブロック単位で開いている地方公共工事契約業務連絡協議会(地方公契連)でも、直轄工事における社会保険未加入対策の強化について周知を進めている。
提供:建通新聞社