自民党のITS推進・道路調査会に設置された「無電柱化小委員会」は19日、電線の地中化推進に向けて「無電柱化基本法(仮称)」を制定するとした中間報告をまとめた。電線の地中化を加速するため、直接埋設や小型BOX活用埋設などを活用したコスト縮減を図るほか、電力会社に道路の新設・拡幅時などの電柱の新設を原則禁止する。自民党は議員立法として基本法をまとめ、ことしの臨時国会か2015年の通常国会に提出する方針。
欧米の主要都市では、戦前から地中化が標準化されているものの、日本の無電柱化率は東京23区でも7%に過ぎない。全国には3552万本の電柱があることに加え、毎年7万本ずつ電柱が新設されている。
小委員会の中間報告では、無電柱化を先送りにせず、加速化するための基本方針として基本法を制定するよう提言。電柱が毎年増え続ける現状を止めるため、まず電力会社に、道路の新設・拡幅や宅地開発の際の電柱新設を止めてもらう。
電線を地中化する際のネックとなっているコスト縮減も図る。電線共同溝は、土木工事だけで1`当たり約3億5000万円の予算が必要だが、欧米で主流になっている直接埋設はこの約4分の1程度の1`当たり8000万円で整備が可能との試算もある。
電力会社の負担を軽減するため、費用負担の見直しや税制面からの誘導方策についても検討する。小委員会は、さらに具体策の検討を進め、秋ごろをめどに最終報告をまとめる。
提供:建通新聞社