内閣府は、PFI法が制定された1999年以降のPFI事業の実施状況をまとめた。2012年度末までに実施方針を公表した事業は418件で、事業費の累計は4兆2477億円。単年度の事業件数は09年度から減少傾向に陥り、10年度は、ピーク時の47件(02年度)の3分の1に当たる15件まで減少した。
事業類型別の事業数は、公共部門が対象施設の設計・建設・維持管理・運営を行う選定事業者に対価を支払う「サービス購入型」が307事業と最多で、全体の73%を占める。
民間事業者自らが調達した資金で施設の設計・建設・維持管理・運営を行い、受益者からの支払いで回収する「独立採算型」が21事業(5%)、
公共部門からのサービス購入量と利用料金収入の双方で回収する「混合型」が90事業(22%)にとどまっている。
公費の支出を繰り延べにする側面が強い「サービス購入型」が大半を占めるため、近年の公共投資の抑制の影響を色濃く受け、事業の実施件数は、横ばいの状況から減少傾向に陥っている。ピーク時との比較では、事業件数のピークである02年の47件は10年に3分の1の15件、総事業費はピーク時の6979億円(08年度)から1186億円(11年度)と、6分の1まで落ち込んだ。
11年度の法改正で導入した「公共施設等運営権」の導入実績は依然としてゼロのままだ。
管理者別の導入割合をみると、件数では市区町村が174件で最多だが、PFIの導入実績がある市区町村は全市区町村の8%に過ぎない。内閣府では、市区町村にPFI事業が普及していないことが導入が低迷する背景にあるとみて、市区町村に対する案件形成の支援、サービス購入型に関する手続き期間の短縮、情報提供などの支援体制を強化する方針でいる。
提供:建通新聞社