国土交通省は、住宅リフォームにおける消費者保護と市場環境の整備に向けて事業者団体を通じた登録制度を構築する。同省に登録した団体に、会員企業であるリフォーム事業者の資格・能力や工事実績などのホームページへの掲載、消費者向け相談窓口の開設、技術研修の開催などに取り組んでもらう。団体を通じてリフォーム事業者を指導・助言できる体制や、団体に加入する優良なリフォーム事業者が活躍できる市場環境を整える。
昨年12月に設置した「事業者団体を通じた適正な住宅リフォーム事業の推進に関する検討会」が、登録制度の構築に向けた提言をまとめた。検討会は、リフォーム工事の高度化や多様化が進む中で、消費者にとって事業者の技術力や価格相場が分かりにくい状況が生じているとして、消費者が安心してリフォーム工事を依頼できる枠組みを整えるべきと提言した。
登録する団体は、会員企業数が100社を超える全国規模の一般社団法人や事業協同組合などとし、設立後2年以上が経過していることや、債務超過の状態にないことなども求める。登録は3年程度で更新する
登録した団体には、会員のリフォーム事業者が工事を適正に行う資格・能力があることを確認するよう求める。例えば、マンション共用部分の修繕には建設業許可、戸建て住宅のリフォーム(構造・防水工事含む)には、建設業許可か常勤の建築士や建築施工管理技士が在籍していることを求め、工事実績などと合わせて各事業者の資格・能力をHPで公開してもらう。
また、技術向上や消費者保護に関する研修を定期的に開くなど、会員企業のリフォーム事業者の人材育成にも取り組んでもらう。団体から事業者に対して、リフォーム工事の契約時の書面交付、重要事項の説明、誇大広告の禁止などに加え、請負額500万円以上を目安にリフォーム瑕疵保険や大規模修繕保険への加入も求める。
会員企業が不適正な業務を行った場合は、団体が指導・助言・勧告を行い、従わない事業者には除名などの措置を講じる。
国交省は、この提言を踏まえ、同省の告示に基づく登録制度として、制度をスタートさせる考え。
提供:建通新聞社