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2014/04/27

7地整が「余裕期間」運用 北陸は独自運用 国交省

 国土交通省が入札不調・不落を抑制するために打ち出した「公共工事の円滑な施工確保対策」のうち、工事開始前に資材調達などの期間を通常よりも延長できる「余裕期間の設定」が、全国の地方整備局などで運用され始めている。近畿、中国、沖縄を除く7地整などですでに運用を開始しており、北陸地整では通常3カ月以内の余裕期間を4カ月以内に伸ばす独自の対策を講じている。また、施工確保対策に盛り込まれた取り組みのうち、発注見通しの統合も、全ての地整などが実施する方向で検討を進めているという。
 余裕期間は、通常は1カ月以内と定められている契約締結から工事着手までの期間を3カ月(もしくは実工期の3割の期間)まで認める取り組み。余裕期間を資材調達や労働力確保のための期間と位置付けるため、余裕期間中は技術者の専任・配置が求められない。
 国交省は、13年度補正予算成立後の2月に発出した執行通達で、この余裕期間を実施するよう各地整などに指示。北海道、東北、関東、北陸、中部、九州の6地整などが補正予算の執行に合わせて運用、四国が4月から運用を開始した。現時点では導入に至っていない近畿と中国も運用を検討しているという。
 入札不調・不落の発生状況に応じ、各地整などが適用工事を選ぶ。一部の地域で入札不調・不落の発生率が高い北陸地整は余裕期間を4カ月まで認める独自の運用も行っている。
 一方、発注見通しの統合も、同じく補正予算成立後の執行通達で導入を指示。都道府県や市町村、独立行政法人などの複数の発注機関の発注見通しを統合し、入札参加者が技術者配置や資機材
調達などを円滑に行えるようにする。東日本大震災の復旧・復興工事で入札不調・不落が増加した東北地整が先行して実施した取り組みだ。
 各地整などでは、他の発注機関とつくる発注者協議会を通じ、発注見通しの統合を呼び掛けている。中国、四国、九州など、西日本の地整で近く運用を開始する見通し。

提供:建通新聞社