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2014/04/27

老朽インフラ対応で要望事項 日建連委員会

 日本建設業連合会(日建連)のインフラ再生委員会は、老朽インフラの維持管理・更新をめぐり、施設を管理する国や自治体などに対する要望事項を整理した。柱は▽中長期計画▽積算方法▽入札契約方式―の三つで、個別施設ごとの長寿命化計画の策定や、維持管理・更新にふさわしい積算の実施、ニューオリンズのハリケーン対策事業で取り入れられた「ECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式」の導入などを挙げた。併せて、会員会社が持つ49件の代表的なインフラ再生技術も抽出した。これらを盛るPRパンフレット=写真=を作成し、25日の定時総会で発表した。 
 インフラ再生委員会(委員長・柿谷達雄清水建設副社長)は、インフラ大更新時代の到来を見据え、会員各社が持つ点検・調査から診断、補修・補強、解体・更新に至る一連の技術を有効活用してもらうため、2013年度に新設した。積極的な技術開発や専門性を有する人材の確保・育成、実施プロセス全体にわたる発注者への支援と協働に日建連として取り組み、インフラの維持管理・更新に寄与する方針でいる。
 要望事項の柱のうち「中長期計画」では、インフラ長寿命化計画に基づく行動計画(国の各省庁や自治体が策定)だけでなく、「個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)」なども策定するよう提唱。「積算方法」については、新設工事とは異なる施工条件や特殊な施工技術、歩掛かりと単価の違いを踏まえて「維持管理・更新にふさわしい積算」を実施するよう求める。
 入札契約方式に関しては▽新技術や施工ノウハウを活用した「効率的な設計・施工を実現させる方式」の導入▽高度な技術が求められ、仕様の確定や積算が困難な場合は「技術提案競争・交渉方式(仮称)」を導入▽体制が整っていない自治体は、調査から維持管理までの「幅広い業務を一連にわたって発注する方式」を活用―を列挙した。
 その中で例示した「ECI方式」は、設計・施工一括方式とともに、効率的な設計・施工を実現させる仕組みの一つ。設計段階から施工業者が施工性を検討し、設計に反映させることで、工事費のリスク軽減や工期の短縮が可能になるという。
 一方、会員会社の保有する49件の代表的なインフラ再生技術は▽ダム=13件▽トンネル=18件▽橋梁=18件―の内訳で掲載。これら以外にも多数の技術があるため、今後はインフラの状況に応じた技術を検索できるように整理することも考えていく。
 PRパンフの表題は「インフラ再生への戦略と技術『大切なインフラを未来につなぐ』」。国土交通省地方整備局との意見交換などでも配布して、日建連の姿勢をアピールする。

提供:建通新聞社