太田昭宏国土交通相ら同省幹部と建設業5団体トップらが24日に会談し、建設業への女性の入職促進と就労継続に官民共同で取り組む申し合わせを行った。建設業の国内人材育成・確保策の柱の一つに女性の担い手確保を位置付け、女性技術者・技能労働者を5年以内に倍増させる目標を掲げる一方、目標達成に向けた行動計画を今夏までに策定し、官民共同で具体的な行動を起こしていくことを確認した。太田国交相は「女性が働きやすい労働環境の整備、女性技術者の登用を促すモデル工事の実施、女性技能者のための研修の充実などを速やかに検討したい」と話した。
国交省幹部と▽日本建設業連合会(日建連)▽全国建設業協会(全建)▽全国中小建設業協会(全中建)▽建設産業専門団体連合会(建専連)▽全国建設産業団体連合会(建産連)―の5団体トップらが会談し、建設業への女性の入職促進などについて意見を交わした。
建設業での女性の活用をめぐる動きとしては、3月に日建連が入職促進などに向けた行動計画をまとめている。日建連は、現在、全技能労働者の2・7%に当たる約9万人に過ぎない女性技能労働者を5年以内に倍増するとした目標を打ち出し、専門工事業者や協力会社などと連携して活用促進策を講じる方針を示している。
日建連の中村満義会長は、この日の会談でも「女性の活用促進に向けた取り組みは、男女を問わず若年技能労働者の入職促進策と重なる部分が大きい。男性の入職促進にも相乗効果があるはずだ」と述べ、女性活用に積極的に取り組む姿勢をあらためて示した。
また、中村会長は、日建連として▽現場の環境整備に関する積算基準の見直し▽女性技能労働者活用に対する工事成績評定での加点▽女性技能労働者育成のための研修に対する助成制度の創設▽広報活動の充実―などの対応を取るよう、国交省に求めた。
全建は、本間達郎副会長が、22日に設置した「担い手確保・育成検討ワーキンググループ」で女性の活躍の場の拡大を含めて検討を進めると報告。全中建の松井守夫会長は「建設現場はまだまだ男性中心。環境改善に加え、意識改革が必要だ」と訴えた。
建専連の才賀清二郎会長は「登録基幹技能者の中にも約80人の将来有望な女性がいる。女性の入職をアピールして業界が明るくなるムードをつくりたい」と述べ、建産連の北川義信会長は、女性の入職促進と就労環境の整備に加え、若年者の担い手確保、高齢者の活用などに向けた具体策を検討する作業部会を設け、具体策を検討する考えを伝えた。
提供:建通新聞社