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2014/04/18

「安全衛生調整者」実現可能性探る 土木の「安全」高める仕組み検討 土木学会

 土木学会(橋本鋼太郎会長)は、土木の計画・設計・施工・維持管理・解体それぞれに段階における安全衛生の実効性を高める仕組みづくりの検討に取り組む。学会の安全問題研究委員会に「土木工事の技術的安全性確保・向上検討小委員会(委員長、白木渡・香川大学工学部教授)」を置き、(仮)「安全衛生調整者」の活用などによるスキームづくりの実現可能性を探っていく。学会はこの間の検討の成果を踏まえ、2016年度末をめどに「土木工事の技術的安全性確保・向上」について提言を行うことにしている。
 小委員会は、過去に発生した国内の土木工事の事故事例を検証するとともに、海外の土木工事における安全配慮の事例を研究し、学会としての提言につなげる。
 具体的には、入札・契約における安全経費の取り扱いの実態や、発注者などのリスクアセスメントの実施状況、発注・設計から施工に至る過程における安全審査体制などについても調査、検証する。
 土木学会によると、EU(欧州連合)加盟国の中には、大学や建設業関係の学会などで安全衛生調整者の育成のための教育プログラムを実施している例があるという。
 英国のHSE(安全衛生庁)ではCDM(コンストラクションデザインマネジメント)コーディネーターと呼ばれる安全衛生調整者が同庁の建設規則に規定され、運用されていることから、小委員会は、これを一つのモデルとして、発注者と請負者などのステークホルダーの間に立って「安全衛生調整」の実施をコーディネートする有資格者の必要性や、その法的位置付け、運用の在り方などについて検討。日本版「安全衛生調整者」の実現可能性を探っていく考えだ。

提供:建通新聞社