国土交通省は16日、社会資本整備審議会・交通政策審議会の社会資本メンテナンス戦略小委員会第2期の初会合を開き、インフラの点検・診断に関する資格制度構築に向けた議論を開始した。小委員会に設置する「資格制度ワーキンググループ」で、夏までに実務者に求める能力・技術を明確化。国交省が求める能力・技術を満たす既存の民間資格を資格評価認証機関で認定する枠組みを構築する。2015年度から制度を運用し、点検・診断業務を発注する際の資格要件に活用する。
小委員会の第2期では、昨年12月にまとめた答申で示された▽点検・診断に関する資格制度の確立▽維持管理・更新に関する情報の共有化、見える化▽メンテナンス技術の国際化▽体制、地方自治体などの支援方策―の四つのテーマについて、年内をめどに議論を深める。
このうち、点検・診断に関する資格制度については、早急に制度を構築する必要があるとして夏までに先行して結論を出し、15年度から制度を運用する。当面は、資格を新たに設けるのではなく、公的な資格評価認証機関が既存の民間資格を認定する枠組みを想定する。
小委員会では、民間資格の認定期間・要件などを検討。資格を運営する団体の管理体制、資格検定試験の実施内容、更新・はく奪制度の有無などを論点に、資格の統一的な評価指標を固める。また、WGでは、認定の前提となる点検と診断・設計業務の実務者(技術者、技能者)に求められる能力・技術の一覧をインフラの分野別にまとめる方針だ。
国交省では小委員会での結論を踏まえ、点検・診断の資格制度の枠組みを構築、認定を希望する既存の民間資格を公募する。認定の要件を満たさない資格については、一定の期限を設け、見直しを誘導することも視野に入れている。同省が求める要件を満たす民間資格がない分野については、同省が新たな資格を創設することも検討する。
また小委員会では、社会資本の維持管理・更新を担う地方自治体への支援策についても、今秋までに検討結果をまとめる。国交省は、この結果を踏まえ、新規の支援策を2015年度予算に盛り込む考えだ。
提供:建通新聞社