日本下水道事業団(JS)は入札・契約制度を改定し、14日公告の工事と建設コンサルタント業務から、施工実績と配置予定技術者の要件緩和や、手持ち業務件数の対象契約金額の引き上げなどを措置した。また、業務で技術の継承を目的とする「副担当者制」の導入や、プロポーザル方式の評価基準の見直しも決めており、7月1日以降の公告案件に適用していく。
工事関係では、終末処理場の簡易な改修の施工実績として、これまで下水道法上の「終末処理場」または「ポンプ場」の施工実績を求めていたが、この要件を緩和。地方公共団体などが発注した「農業集落排水施設」や「漁業集落排水施設」などの処理機能に関わる鉄筋コンクリート造の水槽構造物の工事や上水道、簡易水道、調整池などの実績も認めることにした。
また、建築工事の類似工事の施工実績として公共建築物の他に民間発注の実績も認め、耐震改修の要件には新築や増築の実績を加える。配置予定技術者の資格要件は、D等級の単独工事では2級建築士や2級建築施工管理技士などの配置で対応できるようにした。水処理設備の工事でも施工実績を緩和した。
建設コンサルタント業務では、管理技術者や担当技術者の手持ち業務件数の対象契約金額を「200万円以上」から「500万円以上」に改めた。また、次世代技術者の育成を目的に「副担当者制」を新たに導入。所定の要件を満たした技術者を副担当者として従事させ、実績を挙げた者は暫定技術者としての配置を可能にする。さらに一定の成績評価点を得た場合には、担当技術者として配置できるようになる。
プロポーザル方式では技術提案書の評価基準を緩和。JSが発注した業務の実績がない場合でも、JSの各種研修の修了証書を授与された者は2年間に限り、標準的な評価として「2点」を与える。一方、提出者が1者だったプロポーザルで、評価基準にある実施方針や手法の評価が「C(劣る)」となった技術提案書は特定(採用)しないことにした。
提供:建通新聞社