トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2014/04/15

国土強靭化の脆弱性評価 代替性・冗長性の確保必要 ナショナル・レジリエンス懇 

 政府は14日、国土強靭(きょうじん)化の枠組みを議論している「ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会」に、大規模自然災害などに対する脆弱(ぜいじゃく)性評価の結果を報告した。災害時のリスクシナリオである「起きてはならない最悪の事態」を回避するため、各府省が国・地方が進めている施策の脆弱性を評価。懇談会では、脆弱性の解消に向け、ハード・ソフトの適切な組み合わせ、代替性・冗長性の確保、地方自治体と民間との連携が必要だと結論付けた。
 脆弱性評価は、わが国が大規模自然災害などに対して強靭性を発揮するための国土の「健康診断」に位置付けられるもので、国土強靭化基本法に基づいて行われる。評価結果は、来年度の予算編成などにも反映される。
 懇談会ではまず、人命保護、迅速な救助・救急・医療活動、行政機能の確保、二次災害の防止などの目標を達成するため、45の「起きてはならない最悪の事態」とこれらの事態を回避するプログラムを設定。プログラムの推進と強靭化施策を12の個別分野(行政機能、住宅・都市、エネルギーなど)と三つの横断分野(老朽化対策、研究開発、リスクコミュニケーション)に分類し、各項目ごとに施策の達成度を数値で示した。
 14日の会合では、各府省が行った脆弱性評価の結果を「いまだ道半ばの段階にあるものが多い」と報告。実施主体の能力や財源に限りがあることも踏まえ、施策の重点化とソフト・ハード対策の組み合わせでできるだけ早期に脆弱性を解消する必要性を指摘した。
 また、大規模災害に対応するためには、個々の施設の耐震性を高めるだけでは万全でないとし、特に金融、情報通信、交通・物流の分野でバックアップ施設・システムを整備し、代替性・冗長性を確保する必要があるとしている。
 地方自治体や民間企業が独自に行っている取り組みが評価に反映されないことも問題視し、強靭化関連のインフラに関するデータベースの構築などを検討するなどとした。

提供:建通新聞社