2013年4月〜14年2月の都道府県発注工事における入札不調・不落の発生率は7・8%となったことが、国土交通省の調べで分かった。12年度(12年4月〜13年3月)の発生率と比べると2・9ポイントの増加。同省によると、発生率には地域差があり、東日本大震災の被災地などで高い傾向がみられる反面、発生件数がゼロの県もあるという。
全国の都道府県の発注工事(全工種)における入札不調・不落の発生率を同省が調べた(一部データが把握できないもの除く)。全工種の平均に比べ、土木工事の発生率がわずかに高いほか、大型建築工事での発生も目立つ。
一方、国交省直轄工事における不調・不落の発生率(13年4月〜9月)は前年同期比4・3ポイント増の15・8%と都道府県よりも高い。直轄工事では、ほぼすべての工事に総合評価が適用されており、国交省では、総合評価に掛ける落札までの手間・コストを嫌ったり、配置技術者に求められる実績が自治体工事よりも厳しいことなどが背景にあるとみている。ただ、いったん不調になった工事もその後の再発注でほぼ契約に至っているという状況にある。
同省では、入札不調・不落の発生率が高まった原因として、発注件数が増加したことで施工条件が悪い工事が敬遠されたり、人手不足に伴う人件費上昇や工期延長を嫌う業者が増えていると分析。建築工事では、予定価格が市場の実態と乖離(かいり)している状況もあるとみている。
このため、すでに同省では1月から、公共工事設計労務単価の引き上げ、インフレスライドの適用、発注ロットの大型化、土木工事積算基準の改定などの施工確保対策を講じており、1月以降の単月の不調・不落の発生には減少傾向がみられるという。
提供:建通新聞社