前年度の数字を下回ったことが、帝国データバンクのまとめで分かった。公共工事の増加や消費税率引き上げ前の駆け込み需要などの好況が続き、単月でも12年10月以降、18カ月連続の減少を記録した。
建設業の倒産件数を業種別に見ると、総合工事業が17・6%減の904件、職別工事業が22・9%減の785件、設備工事業が4・3%減の495件といずれも減少した。
全産業の倒産件数は、5・7%減の1万0102件。負債総額は6・2%減の2兆7473億9300万円で過去10年で最小となった。倒産の要因としては、販売不振や業界不振などによる「不況型倒産」が8376件で全体の8割を占めた。金融円滑化法を利用した企業の倒産件数は562件で、31・3%増加した。
地域別では、9地域中6地域で前年度を下回った。北海道、四国、北陸の3地域では倒産件数が大きく減少したが、東北、中国、中部の3地域は前年度を上回った。
同社では、14年度の企業倒産の見通しについて▽円安を背景にした原材料・燃料価格の高騰▽技術者を中心とした人手不足による労務費高騰▽デフレ脱却の遅れによる価格競争▽消費増税による消費マインドの低下と駆け込み需要からの反動減―などを懸念材料として指摘。
政府が公共工事などを中心に、14年度予算の執行を上半期に集中させる方針であるため「 2013年度に倒産した建設業者数は前年度比17%減の2184件となり、5年連続で倒産件数が急に増加することは考えにくい」としながらも「倒産件数が増加する懸念が払拭されない状態のまま、一進一退で推移する可能性が高い」と予測している。
提供:建通新聞社