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2014/04/09

建設副産物 需給均衡の悪化に懸念 リサイクル原則化ルール拡大も   国交省

 国土交通省は8日、社会資本整備審議会・交通政策審議会の建設リサイクル推進施策検討小委員会の合同会議に、今夏に策定する次期建設リサイクル推進計画に盛り込む施策の骨子を示した。社会資本の維持管理・更新が本格化すると、将来的に建設副産物の需給バランスが悪化する懸念があると指摘し、国交省が直轄工事で運用している「リサイクル原則化ルール」の適用範囲拡大などを提案。東京外かく環状道路(外環)の着工で、首都圏の建設発生土の利用先が不足する恐れもあるため、地域課題に応じた対策案を計画に盛り込む方針も提示した。
 建設リサイクル推進計画は、国、地方自治体、民間が行う建設工事全体を対象に、建設廃棄物の再資源化に向け、品目別の目標数値や施策を示したもの。
 現行計画は2008年度に策定され、大半の目標数値や施策は計画通りに実施された。ただ、社会資本や建築物の更新が本格化すると、将来的な建設副産物の排出量が増加する一方、建設副産物を受け入れる建設工事は減少傾向にある。例えば、既に建設発生土の排出量は搬入量を上回り、搬出量の約半数しか建設工事で利用できていない。
 首都圏では、外環の着工で建設発生土の利用先不足が懸念されているほか、再生クラッシャランが在庫過多の状況にあるなど、地域固有の課題も顕在化しているという。
 国交省の骨子では、建設副産物の利用促進を図るために、直轄工事で運用するリサイクル原則化ルールの適用範囲を拡大する方針を示した。現行のルールは、40〜50`以内に再資源化施設や排出工事現場がある場合、経済性を問わず再生資材の利用を優先するものだが、この適用範囲を広げることを検討する。
 また、公共工事で活用されない建設発生土を搬入する民間工事を公募したり、自治体にあっせんするスキームの構築も目指すとした。大都市圏などで顕在化する建設発生土の増加に対応するため、建設副産物対策地方連絡協議会で地域固有の課題を設け、対策を講じるための仕組みも構築する。
 国交省は、今回の骨子をベースに小委員会で議論を進め、8月までに14年度から5カ年にわたる新たな建設リサイクル推進計画を策定する考え。

提供:建通新聞社