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2014/04/03

国交省が首都直下地震対策計画 木造密集市街地2400fを解消

 国土交通省の南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部は1日、首都直下地震地震発生時の応急活動や被害軽減に向けた予防的対策を示した首都直下地震対策計画をまとめた。七つの重要テーマを設け、東京五輪を開催する2020年を視野に対策を講じる11の重点対策箇所を提示。木造住宅密集市街地2436fの20年までの解消、乗降客の多い鉄道駅・高架橋の17年度までの耐震化、海抜ゼロメートル地帯の複合災害対策などを推進するとした。
 政府の中央防災会議が示した首都直下地震の被害想定を踏まえ、社会資本の整備・管理、交通政策、海上における人命・財産の保護など、国交省が所掌する分野で、応急活動計画と予防的対策をまとめた。
 木造住宅密集市街地では、住生活基本計画で指定された「地震時等に著しく危険な密集市街地」のうち、埼玉県54f、千葉県9f、東京都1683f、神奈川県690fの合計2436fを20年までに解消するとした。特に、環状6号線と環状8号線に挟まれた地域では、大規模な延焼で最大約41万棟の消失が予想されるため、狭隘(きょうあい)道路の拡幅や住宅の共同建て替えなどの対策を重点的に進める。
 鉄道施設については、震度6強以上の強い揺れが想定される地域などで、乗降客が1日1万人以上の駅、片道断面輸送量が1日1万人以上の路線の高架橋の耐震化を17年度までに終える。都市再生特別措置法に基づく「都市再生安全確保計画制度」を活用し、主要駅周辺で備蓄倉庫や退避経路・退避施設などを整備する。
 また、墨田区や江東区などの海抜ゼロメートル地帯では、地震で排水機場が機能不全に陥った際に、台風などの複合災害が発生すると、被害が拡大、深刻化する恐れがある。堤防や水門の耐震化とともに、河川堤防などの緊急復旧計画や排水計画を14年度に策定する方針も示している。
 対策計画ではこのほか、東京五輪の開催期間中に首都直下地震が発生した場合の検討課題も明示。大会関連施設の被害最小化や交通手段を迅速に確保するため、関連施設と交通施設の耐震化、迅速な復旧、輸送手段確保対策などの検討を継続する。

提供:建通新聞社