環境省の「巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会(酒井伸一委員長)」は、南海トラフ巨大地震と首都直下地震の発生に伴う災害廃棄物と津波堆積物の発生量を推計した。南海トラフ巨大地震が発生した場合、津波堆積物を含めて最大で約3億5000万d、首都直下地震が発生した場合、最大で1億1000万dの災害廃棄物が発生するとみている。
委員会が推計した災害廃棄物の内訳は、南海トラフ巨大地震が可燃物約4626万d、不燃物約7362万d、コンクリートがら約1億6863万d、金属約1946万d、柱角材約1386万d、津波堆積物約2722万d。
首都直下地震は、可燃物約510万d、不燃物約3570万d、コンクリートがら約6433万d、金属約401万d、柱角材約151万d。
検討会は、津波災害を考慮した原単位が存在しないことから、東日本大震災の処理実績と津波浸水面積から単位浸水面積1平方b当たりの発生原単位を0・024dと設定。南海トラフ巨大地震については、東日本大震災の実績を用いて1棟当たり117dとし、首都直下地震については、最も甚大な被害の発生が予想されている都心南部直下地震の発生を想定した上で、内閣府が最新の知見に基づいて算定した1棟当たり161dを用いた。半壊については全壊の20%として算出した。
検討会は引き続き、地域ブロックの特性を考慮した精度の高い発生原単位について検討する一方、災害廃棄物と津波堆積物の発生量が最大になるケースのシナリオを整理した上で発生量を推計することにしている。
提供:建通新聞社