国土交通省は28日に建設産業活性会議を開き、関西鉄筋工業協同組合の岩田正吾理事長、職業訓練法人広島建設アカデミーの福井正人代表、群馬県建設業協会の青柳剛会長にヒアリングを行った。関鉄協の岩田理事長は、官民一体となった多職種が連携して職業教育を行える職人学校の必要性を提唱。広島建設アカデミーの福井代表は、現在の建設業界が多能工より単能工を求める傾向にあるとして、職業訓練もこうしたニーズに応えるべきではないかと提案した。
関鉄協では、2010年度から組合員が工業高校などに赴く出前講座を開いているが、時間・距離的な労力が大きいとして、大阪市や神戸市などの大都市に拠点となる職人学校を設置し、異なる学校の生徒を集めたり、他職種と連携するなどして、効率的に職業教育を行うべきだと訴えた。
一方、広島県内で建設業向けの職業訓練を行っている広島建設アカデミーでは、多能工を育成するという理念で設立されたものの、現在は業界のニーズに対応して単能工を育成する方向にシフトしている現状を説明した。
群馬建協では、子どもたちが建設業に親しめるよう、イメージキャラクターやイメージソングなどを作成。会員企業に対して行ったアンケート結果を踏まえ、外国人労働者の活用で生じる悪影響を最小限に抑える必要があるなどとする提言の内容も報告した。
ヒアリング後の意見交換では、建設業の雇用・給与形態が「戦前・戦後から日給月給のままで変わっていない。依然として社会保険にも加入していない」とした上で「この問題を自らの手で改善していかなくてはいけない」と指摘する声が挙がったという。
提供:建通新聞社