国土交通省は、2014年度当初予算の成立を受け、所管事業の執行方針などを示した事務次官通達を28日付で各地方整備局や独立行政法人などに送った。通達では、消費税率引き上げに伴う景気の下振れリスクを回避するため、年度上半期に公共事業による経済効果が発揮されるよう、早期に予算を執行するよう指示。8月1日以降、元請け企業と下請け代金総額3000万円以上の工事の1次下請け企業を直轄工事から排除することも周知している。通達は都道府県と市町村にも参考送付された。
執行通達は、政府全体で14年度当初予算の執行を6月末に4割以上、9月末に6割以上を終えるとする数値目標を設けられたことを踏まえ、国交省の所管事業でも可能な限り早期に予算を執行するよう求めた。
入札・契約手続きについては、総合評価方式の技術審査・評価業務の効率化、地域の実情や工事特性を踏まえた指名競争入札の活用などを求める。加えて、入札不調・不落の発生による執行の遅れを防ぐため▽発注ロットの大型化▽主任技術者の専任配置の緩和▽工事開始前に労働者確保などの準備を行うための「余裕期間」の設定―などにより、円滑な施工確保にも努めるよう求めた。
設計・積算では、橋梁補修3工種の歩掛を新設した土木工事積算基準や2月改定の公共工事設計労務単価を適用し、実勢価格に沿って予定価格を設定するよう指示。設計書金額の一部を根拠なく控除する歩切りの禁止もあらためて求めた。
建設業の社会保険未加入問題をめぐっては「社会保険、労働保険の法定福利費については、建設業者が義務的に負担しなければならない経費である」として請負業者に加入徹底を指導するよう要請。直轄工事における未加入企業の排除を8月1日以降の工事でスタートすることも盛り込んだ。
提供:建通新聞社