国土交通省は、用地確保を終えずに発注した工事などに適用する「工事一時中止」について、中止に伴う増加費用を引き上げる。増加費用の算定方法を見直し、中止期間中の常駐人件費を考慮して経費率を20%割り増したり、新たに基本計上費を設けて「土木一般世話役」の労務単価に中止日数を乗じた額を追加計上できるようにする。2014年度から適用する。
工事一時中止は、用地確保が完了していなかったり、施工中に設計図書と施工条件の相違が判明したケースなどで発注者が施工の中止を指示する行為。一時中止を指示した場合、発注者は請負代金額や工期変更を行って増加費用を支払うことになっている。ただ、増加費用の算定方法が実態と乖離(かいり)し、受注者に追加の費用負担が発生しているとして、建設業団体が算定方法の見直しを求めていた。
こうした要望を踏まえ、国交省は工事一時中止に伴う増加費用を引き上げるために算定方法を見直す。現在、増加費用は、経費率(運搬費、安全費、役務費、営繕費、現場管理費で構成)に純工事費を乗じて算定するが、この計算式を変更して経費率を20%割り増す。
さらに、現場に配置された土木一般世話役の人数分の労務単価に中止日数を乗じた基本計上費用を追加する。算定方法の見直しは2014年度の土木積算基準改定の中に盛り込んでおり、14年度から適用することになる。
提供:建通新聞社