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2014/03/06

「問題の根源は社会保険未加入」 芝工大・蟹沢教授が主張 建設産業活性化会議

 国土交通省は4日、建設産業活性化会議の3回目の会合を開き、建設産業再生や入職促進をテーマに有識者からヒアリングを行った。芝浦工業大学の蟹澤宏剛教授は「建設業が抱えるさまざまな問題の根源は社会保険にある」と主張、保険料負担を回避するための雇用回避が重層化の問題につながっていると指摘した。技能労働者の技能を適正に評価するため、現行の資格制度を整理したり、産業全体で技能者育成のための基金を造成することも提言した。北海道大学の高野伸栄准教授は、技術者・技能者育成の基本になるチーム(職場班、協力会など)の崩壊を問題視し、さまざまな形でチーム結成を支援することが必要だと訴えた。
 蟹澤教授は、建設業の社会保険未加入が引き起こしている問題を▽保険加入を先送りにする動きが重層化を生む▽社会保険料を支払わずに人件費をカットする企業がダンピングを行う▽正規雇用をせずに一人親方化が進む(偽装請負)▽固定費である人件費が変動費化し、技能者の賃金が減り続ける―と解説。
 その上で、法定福利費の事後精算方式の導入や標準見積書を建設業法関連法令に位置付けるなど、適正な経費を確保することで保険加入を促進したり、一人親方の元請け一括加入労働災害保険の適用拡大、労働者からの搾取や法令違反を黙認した低価格発注の排除などの具体策を提言した。
 また、技能者の技能を適正に評価するため、学校教育、職業訓練、建設技術者制度の資格を整理し、資格制度を世界標準の枠組みに再編する必要性を主張。業界内に根強い「技能は教えることができない」という意識を転換し、教育・訓練マニュアルを整備する重要性も指摘した。
 高野教授は、これまで技術者・技能者を育成する際のベースになっていたチーム(職場班、社内、協力会など)が、建設投資の減少で崩壊に追い込まれていることを課題に挙げ、全国レベルで支援策を講じる必要性を訴えた。長期休暇を自主的に取得できたり、発注時に就労環境に配慮するなど、若年者から見て建設産業の魅力を向上させることが、入職促進につながると提言した。
 ヒアリング後、出席者からは「都市と地方で求められる人材像は違う。建設業団体を中心にオーダーメードの教育・訓練カリキュラムを構築せざるを得ない」「重層化の要因には、『いつかは経営者になりたい』との思いを抱く就業者が多いことも関係しているのではないか」などの意見が挙がった。

提供:建通新聞社