国土交通省の直轄工事で2012年度に導入された「施工パッケージ型積算方式」が、この4月から全国の地方自治体の約半数に導入される見通しだ。導入拡大の動きに合わせ、施工パッケージ型積算方式が標準単価を年々減額させるのではないかとの懸念も広がっているが、同省は「実態調査を行い、施工状況などの変動に応じて価格を補正している」(大臣官房技術調査課)と説明。15年4月には、直轄工事で施工パッケージ単価を設ける工種をさらに拡大する方針でいる。
施工パッケージ型積算方式は、直接工事費の施工単位ごとに機械経費・労務費・材料費を含んだ「施工パッケージ単価」を設定する新たな積算方式。施工パッケージ単価は、受発注者で合意した単価(合意単価)と入札時に提出される工事費内訳書の応札者単価などを活用して設定する。
収集する応札者単価と合意単価は平均化すると下落する傾向にあるため、これに応じて積算単価が下落することを不安視する声が上がっている。ただ、国交省は、歩掛実態調査を行って価格を補正した上で標準単価に反映させるため、必ずしも下落傾向になるとは限らないと説明。また、「これまでブラックボックスになっていた官積算の透明性が向上し、入札参加者が積算に掛ける負担が軽減される効果もある」(技術調査課)とその効果を強調する。
同省は、施工パッケージ単価を新たに導入する工種をことし10月にも公表し、周知期間を設けた上で15年4月をめどにさらに対象工種を拡大する。これにより、施工パッケージのカバー率は現在の50%から60%程度にまで増える見通しだ。
提供:建通新聞社