国土交通省は、2012年に発覚した高知県内の入札談合を受けて試行していた再発防止策を、2014年度から本格的に導入する。施工能力評価型を採用する「一般土木C」の全工事を対象に、技術提案書と入札書の同時提出を導入。競争参加者に歩掛見積を依頼する際、見積もりに記載された競争参加者名などを消し込む「マスキング」の徹底も図る。4月1日以降に入札手続きを開始する工事から適用する。
四国地方整備局の発注工事で発覚した官製談合事件を受けて試行していた再発防止策の本格導入に向け、地方整備局と北海道開発局に具体的な手続き内容を記載した通達を送った。
技術提案書と入札書の同時提出は、昨年9月時点で585件(このうち四国地整は最多の363件)を試行。4月以降は、これまで各事務所1件程度を目安としていた対象工事を、施工能力評価型を適用する一般土木C(予定価格6000万円〜3億円)の全ての工事に拡大する。
マスキングは、提出された技術資料などに記載された競争参加者名や施工済み工事名など、参加者が特定できる箇所を消し込む作業。契約担当者が電子入札システムや郵送で提出された資料にマスキングした上で、評価者らに渡す。
試行の段階では、歩掛見積、技術資料、施工計画をマスキングの対象としてきたが、契約担当者の事務負担を軽減するため、4月以降は歩掛見積のみでマスキングを行い、技術資料と施工計画は対象としない。
このほか、再発防止策の対象工事となる積算業務と技術提案書の審査・評価業務の分離体制を確保することも指示した。
通達では、4月1日以降に入札手続きを開始する工事から再発防止策を導入するとしているが、13年度補正予算で措置した工事については、導入しなくても差し支えないとする附則も明記した。
提供:建通新聞社