国土交通省は、2013年度補正予算に盛り込まれた直轄事業について、入札契約事務の効率化と期間短縮を求める通達を各地方整備局などに送付した。円滑な事業執行に向け、工事開始前に資材調達や労働力確保を図るための「余裕期間」を設けることや、地方整備局の発注見通しを都道府県・市町村などと統合して公表する」ことを求めた。4月から本格導入する高知県内の入札談合を踏まえた入札手続きの見直し(入札書と技術提案書の同時提出など)については、早期執行の観点から、補正予算で予算措置した工事を除外しても差し支えないと明記した。
今回の通達は、補正予算成立後に発出した事務次官通達のうち、入札契約手続きの運用方法を各地方整備局に指示するためのもの。本省関係課長の連名で、地方整備局や地方航空局、北海道開発局などに送付した。
この中で、入札不調の発生を防ぎ、円滑に事業を執行するため、工事開始前に「余裕期間」を設けるなど適切な工期設定を指示。契約締結から工事開始までの期間について、資材調達や労働力確保のための余裕期間を設け、技術者の専任・配置を求めないことにする。
都道府県や政令市、独立行政法人などでつくる発注者協議会などを通じ、発注者間の協力体制も強化する。具体的には、建設業者が計画的に技術者を配置したり、資機材を調達できるよう、補正予算で措置した工事の発注見通しを地方自治体などと統合して公表するよう指示している。
地域企業の活用に配慮した発注ロットの大型化を図ることも記載。中小建設業の受注機会を確保するため、WTO対象以外の工事難易度が低い大規模工事で、上位等級工事への参入拡大を積極的に推進するよう求めた。
また、2月適用の公共工事設計労務単価と設計業務委託等技術者単価など最新単価を適用することもあらためて明記した。
一方、早期執行の観点から、施工中の工事と分離することが困難な工事について、契約済みの工事に追加することを認める。総合評価方式の「施工能力評価型U型」で予定価格3億円未満の工事などの技術資料も簡素化する。
高知県内で発生した入札談合を踏まえ、4月から本格導入する入札書と技術提案書の同時提出、業者名のマスキング(消し込み)については、補正予算で措置した事業には導入しなくてもよいとする指示も盛り込んだ。
提供:建通新聞社