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2014/02/21

日建連、女性技能者活用促進へ取り組み事項

日本建設業連合会(日建連)は、建設業での女性技能労働者の活用促進に向けた当面実施すべき取り組み事項を固めた。「PR」「環境整備」「マーケティング」の3本柱を掲げ、日建連と会員会社の対応や、専門工事業諸団体と関係省庁への要請内容を整理したもの。女性技能労働者の働きやすい環境を整備するためのマニュアルづくりや、現場で安心して使用できるトイレの整備、女性所長・監督・職長・技能労働者を主体とした施工チーム(なでしこ工事チーム)の設置などを挙げている。3月に正式決定して活動を展開する。
 日建連は昨年11月、労働委員会に専門部会(座長・能登谷英俊戸田建設東京支店コスト管理センター建築購買部部長)を設け、就労状況調査や、専門工事業団体と女性技能労働者へのアンケートを行って、女性技能労働者の入職促進策などを検討。20日の理事会に、当面実施すべき取り組み事項を盛る中間報告を示した。
 中間報告によると、女性技能労働者は現場で多様な職種に従事しているものの、全作業員に占める割合は1%に満たず、専門工事業団体からは「躯体技能職の就労に関しては難しい」「環境整備は元請けの課題」「雇用した場合、生産性が落ちる」などの意見が寄せられた。
 一方、女性技能労働者は「入職する経緯は親族関係が多く、女性が働けることの対外的なアピールが不足」「結婚や育児などと両立できるような就業体系が確立されていない」「性別でなく能力で評価してほしい」などと主張。特に「安心して使用できるトイレ」や「女性更衣室」の設置を求める意見が多くを占めた。
 当面実施すべき取り組み事項を具体的に見ると、女性技能労働者が働きやすい環境を整備するためのマニュアルは、日建連が早急に作成して会員会社に配布する。快適職場表彰制度を拡充し、環境整備を促すための表彰も実施する。
 現場で安心して使用できるトイレの整備は会員会社が速やかに対応。時差出勤・帰宅など柔軟な就業時間制度を導入し、出産や子育てのサポートにも取り組む。
 女性の所長・監督・職長・技能労働者を主体とする施工チームは、女子校や個人住宅などでのニーズに応えられるよう会員会社が設置する。
 日建連と会員会社のトップは、建設業界が女性技能労働者を歓迎し、活躍できる職種も多数あることをホームページなどでアピール。専門工事業諸団体にも同様の対応を求める。
 関係省庁には、建設業の担い手確保・育成策の一つに「女性技能労働者の活用促進」を位置付けたり、女性技能労働者を雇用した場合の助成や研修制度を充実することなどを要請する。

提供:建通新聞社