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2014/02/20

下水道の改築更新費 20年後に約1兆円 事業管理計画策定で重点支援 国交省

国土交通省は、下水道の改築更新費が10年後の2023年度に8000億円、20年後の33年度に1兆円程度に達するとする推計額を明らかにした。完成後50年が経過して老朽化した管路の延長は10年後に現在の4倍、20年後に11倍まで増加する見込みだ。改築更新需要の高まりを受け、国交省は、地方自治体に改築更新や維持修繕に関する10年程度の実施計画となる「下水道事業管理計画」の策定を求め、計画を策定した自治体に重点的な支援策を講じる考えだ。
 下水道の改築更新費は、管路が予防保全を行っている管路データを使って改築時期と管路延長を設け、処理場やポンプ場の土木・建築施設で75年、機械・電気設備で25年を改築時期として設定し、推計した。
 国交省は23年度に8000億円、33年度に1兆円程度と推計した改築更新費が、これまでのストック量を踏まえると、その後も増加すると予測。特に管路や処理場・ポンプ場の土木・建築施設は、現時点で耐用年数に達していない施設が多いため、費用の増加が顕著に進むことが見込まれるという。
 管路については、整備時期が早かった大都市でより老朽化が進んでいる。ただ、近い将来に改築更新需要が高まる人口10万人以下の市町村でも、下水道担当職員の数がピーク時の3分の2まで減少するなど、脆弱(ぜいじゃく)な管理体制に対する懸念も強い。
 国交省は、19日に開いた下水道政策研究会に、改築更新需要の高まりと下水道の管理体制の課題を踏まえ、施設管理・経営管理・管理体制の枠組みを再構築する方針を説明。現行の事業計画には、完成後の施設管理の視点が欠落しているとして、自治体に改築更新や維持修繕も含めた「下水道事業管理計画」の策定を要請した。
 下水道事業管理計画には▽目指すべきサービスの水準▽施設の設置▽改築更新▽維持修繕―に関する10年程度の実施計画を盛り込み、計画に盛り込まれた事業に重点的な支援措置を講じる。5年後には全ての自治体が計画に基づいて改築事業を開始することを目指すとしている。

提供:建通新聞社