国土交通省は14日、公共工事の円滑な施工を確保する対策を講じるため、関係部局の幹部級を集めた会合を発足させた。東日本大震災の被災地や地方自治体発注の建築工事などで労務・資材費高騰を要因とする公共工事の施工確保への懸念が高まっており、きめ細かく実態を把握してこうした懸念を解消する狙いがある。2013年度補正予算成立時に打ち出した施工確保対策の効果や市場の動きをチェックし、機動的に対策を講じる。
2013年度補正予算の成立に伴い、国交省は「公共事業の円滑な施工確保対策」をまとめ、入札不調・不落の発生に苦しむ自治体などにこの対策の実施を要請。労務・資材価格の高騰で生じた予定価格と実勢価格との乖離(かいり)を解消するため▽公共工事設計労務単価の引き上げ▽インフレスライドの全国適用▽最新単価適用の徹底▽見積もりを活用した単価設定▽適切な数量・施工条件等の設定―などの実施を求めていた。
国交省は、関係部局の幹部級を集め、この施工確保対策の浸透度や効果、入札不調・不落の発生原因、労務・資材の需給状況などをチェックする体制を整えた。今後、会合を定期的に開いて実態把握と機動的な対策につなげる。
不調・不落は、学校、病院、福祉施設関係の入札でも発生しており、必要に応じて所管省庁や自治体などの関係機関とも連携して実態を把握する。
財務省は消費増税による景気の下振れを回避するため、13年度補正予算を早期に執行するよう各府省に要請している。補正予算には、国交省分の公共事業費として1兆2593億円(事業費ベース)が盛り込まれており、財務省などの要請に応じ、公共事業の円滑な施工を確保して早期執行につなげる必要がある。
提供:建通新聞社