自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」の公共工事契約適正化委員会法制化プロジェクトチームは、全国中小建設業協会(全中建)と建設産業専門団体連合会(建専連)、建設関連業3団体と公共工事品質確保促進法の改正について意見交換した。全中建の松井守夫会長は「改正の趣旨が自治体にも伝わるよう徹底してほしい」と要望。建設コンサルタンツ協会(建コン協)の大島一哉会長は「国と自治体が活用できる点検・診断に関する資格制度の早期構築が求められている」と述べた。
法制化PTでは5日にも全国建設業協会など建設業3団体を集め、品確法改正について意見交換を行っていた。5日に意見交換した3団体に続き、全中建の松井会長も法改正の理念を自治体に浸透させる必要性を強調。また「多様な入札契約方式の導入やダンピング受注防止の理念は、職人の生活水準向上や若年入職の増加につながる」と述べ、改正の方向性を評価した。
建専連の道用光春事務局長は「人材育成に慣れていない建設業に卒業生を就職させたくない、と話す学校関係者もいる」と述べるなど、建設産業への若年入職が困難になっている現状を報告した。
建設関連業からは、建コン協の大島一哉会長が品確法改正の骨子に、点検・診断を行う技術者の適正な評価と資格制度の活用が盛り込まれたことを歓迎。点検・診断の資格制度の確立ともに「自治体にも業務成績の評価制度を導入してもらいたい」と求めた。
全国地質調査業協会連合会の成田賢会長は、改正骨子の第6条にデータベースの整備・更新が盛り込まれたことについて「地質調査のデータが特に自治体で放置されている。これを活用する方策を考えてほしい」と要望。全国測量設計業協会連合会の永井博記理事は「若年者に対する資格取得のための補助制度を創設できないか」と求めた。
自民党は、今通常国会に提出する予定の品確法改正案で、中長期的な担い手確保を基本理念として▽ダンピング受注の防止▽多様な入札契約方式の導入▽発注者責務の拡大―などの履行を公共事業の発注者に求める考えを示している。
提供:建通新聞社