建設業情報管理センター(CIIC、松井邦彦理事長)は、経営事項審査を受けた5万9300社の経営状況を分析した「建設業の経営分析」(2012年度版)をまとめた。収益性を示す全ての比率が改善した。ブロック別では東日本大震災からの復旧・復興需要を反映、東北が大きく改善した。総資本経常利益率が全体で1・26%とプラスに転じ、前年比1・47ポイントプラスという大きな改善をみせた。自己資本経常利益率も全体で7・63%となり、前年度より4・73ポイント改善した。大規模階層ほど同利益率が相対的にかった。
収益性を表す総資本売上総利益率、売上経常利益率、同総利益率も改善した。売上営業利益率は前年に比べ0・98ポイント上昇したが、全体ではマイナス0・66%となった。赤字となることが多かった小規模階層の収益性も12年度は大きく改善したが、売上5000万円未満の改善幅は、大規模階層に比べて小さかった。
業種別にみてにみると、総資本経常利益率、自己資本経常利益率は「職別」が高く「土木」が低くなっている。総資本売上総利益率、売上高総利益率は「設備」「職別」が高く「土木建築」が低い。売上営業利益率は「土木建築」が高く、「土木」が低かった。
健全性も全ての比率で改善がみられた。売上別にみると、自己資本比率は売上規模が大きい階層ほど良く、借入金依存度、純支払利息比率も売上規模が大きい階層ほど良くなっている。
その一方で売上5000万円未満の自己資本比率、自己資本対固定資産比率は、ともにマイナス(債務超過)となっており、負債回転期間も悪くなっている。
生産性は全ての比率で改善した。技術職員1人当たりの完成工事高は「建築」が高く、「土木」「設備」が低かった。建設工事付加価値率は小規模階層ほど高かった。
提供:建通新聞社