国土交通省は、3日以降に契約する工事を対象に主任技術者の専任配置の要件を全国で緩和した。既に2013年2月から「現場の相互の間隔が5`程度」の工事では、主任技術者が原則2件程度の現場を管理できるようになっていたが、この要件を「10`程度」にさらに緩和する。東日本大震災の被災地で先行して行った要件緩和を全国に拡大し、技術者専任を要因とする入札不調の解消につなげる狙いがある。
建設業法では、土木一式で工事請負金額が2500万円以上、建築一式で5000万円以上の場合に、技術者の専任配置を求めている。
国交省では、東日本大震災の被災地で入札不調が増えたことから、まず12年2月に工事現場相互の間隔が5`程度に近接した工事で、主任技術者が原則2件程度の現場を兼務することを認め、13年2月にはこの緩和措置を全国的に拡大した。
同省が行った13年4月末時点の調査では、都道府県・政令市の約7割に当たる46団体がこの緩和措置を適用していた。
さらに、同省は13年9月、被災地の入札不調がさらに増加傾向にあることを重くみて、専任配置の要件を現場の相互間隔が10`程度にまで拡大。全国的に入札不調が増加傾向にあること踏まえ、被災地で先行して行ったこの緩和措置を全国で適用した。
緩和措置の対象は、工事の対象となる工作物に一体性・連続性がある工事か、施工に当たって相互に調整を要する工事のうち、現場の相互間隔が10`程度のもの。相互に調整する工事には、二つの現場の資材を一括で調達する工事や、相当の部分を同一の下請け業者で施工する工事などが当てはまる。
発注者が異なる公共工事や民間工事でも、各発注者の判断で適用を認めるため、例えば相互間隔が10`程度の民間の共同住宅と公営住宅の建築工事の現場を同一の主任技術者が兼務することも可能になる。
提供:建通新聞社