2014年度の建設投資(名目値)が、前年度比1・1%減の48兆9200億円となる見通しであることが、建設経済研究所などのまとめで分かった。政府建設投資は大型補正の反動で減少に転じるものの、13年度補正予算と14年度当初予算の効果で12年度の投資額を維持すると予測。民間建設投資は、住宅投資が消費増税の駆け込み需要の反動で減少する反面、非住宅建設投資の回復基調が継続することで微増を見込む。ただ、同研究所では、投資額を微減と予測する一方で「技術者・技能者不足が常態化しており、工事進ちょくが遅れる恐れも大きいことから、動向を注視する必要がある」として、人手不足が投資額に与える影響を不安視している。
14年度の政府建設投資は3・5%減の19兆8200億円。14年度当初予算案の一般会計に盛り込まれた政府建設投資が1・9%増となったことなどを踏まえ、13年10月の見通しから4200億円プラスに上方修正した。地方単独事業は3%減を見込んでいる。
民間住宅投資については、駆け込み需要の反動減が政府の住宅ローン減税などの平準化措置で抑制されるものの、減少は避けられないと予想。住宅着工戸数は6・5%減の89万8000戸、民間住宅投資額は2・7%減の15兆0400億円になると見ている。
民間非住宅建設投資は、4・5%増の14兆0600億円と予測した。このうち建築投資は5・8%増の8兆5600億円、土木投資は2・4%増の5兆5000億円と見込んでいる。工場立地については「現時点では設備投資に慎重な姿勢をみせる企業が多い」としながらも、製造業の景況感は改善に向かいつつあり、為替レートが100円台で安定していることから「今後は製造業の設備投資の拡大も期待される」との期待感を示した。
「建設経済モデルによる建設投資の見通し」は、建設経済研究所と経済調査会が四半期ごとにまとめ、公表している。
提供:建通新聞社