国土交通省の木毅副国交相は、30日に開かれた建設産業活性化会議で「国交省直轄工事の元請け・一次下請け(の受注)については社会保険加入企業に限る方向で検討するよう指示した」と述べ、2014年度中に未加入企業の排除を開始する方針を示した。同省では事業所単位で社会保険に加入していない企業を対象に、直轄工事の入札参加を認めない方向で検討する。自治体などの公共工事発注者にも未加入企業の排除を検討するよう要請する。
同日発表した2月1日適用の公共工事設計労務単価に、保険加入に必要な法定福利費相当額の本人負担分が前年度に続けて反映されたことに伴う措置。社会保険加入の徹底をめぐっては、中央建設業審議会・社会資本整備会の基本問題小委員会も、公共工事の元請け・一次下請けから社会保険未加入業者を排除する提言をまとめている。
国交省では、2017年度をめどに事業所単位で許可業者の100%、労働者単位で製造業相当の加入率を目標に、社会保険未加入対策を進めている。東日本大震災からの復旧・復興などによる建設投資の回復や、公共工事の予定価格に法定福利費の本人負担分と事業者負担分が反映されたことを踏まえ、対策のスピードを速める。
国交省は、元請け企業と元請け企業の一次下請け企業を対象に、未加入企業が入札参加を認めない方向で検討。現時点では、労働者単位ではなく、事業所単位での社会保険加入を条件に入札参加を認める考えでいる。