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2014/01/30

国土強靭化へ学術分野から協力・支援 土木学会

 国土強靭(じん)化法の成立を受けて、土木学会は29日、「強くしなやかな社会を実現するための防災・減災等に関する研究委員会(仮称)」を立ち上げたことを発表した。大規模な自然災害に対して強靭で持続性がある社会を実現するため、学問的、科学的見地から合理的、効率的に国土の防災・減災能力を向上させる指針、対策などについて調査・研究。議論の成果は今後、提言の形で取りまとめていく。2015年3月に中間素案、12月に最終提言を公表する。
 研究委員会は土木学会の各専門委員会の委員長などで構成し、3か月に1度開催。検討テーマには@自然災害に強いしなやかな国土の創出A大規模自然災害と防災対策(ハード対策)B減災のためのソフト対策C防災マネジメントD地域計画や地域防災計画・活動の支援・協力E技術開発―を挙げた。
 具体的には、巨大災害でも致命傷を負わないバックアップや代替え機能も検討の対象とし、将来目指す都市像、インフラ施設のリダンダンシーについて議論する。また、学会が蓄積してきた知見や研究成果を地域社会へ還元するため、学会の支部活動を通じて自治体の地域計画や地域防災計画づくり、市民活動を支援・協力する。
 土木学会の橋本鋼太郎会長は、「国土強靭化という要請を受けて学会全体が総合的に取り組んでいく必要があると考え、委員会を設置した」と説明し、国交省のグランドデザインづくりにも積極的に参加していく考えを示した。また「自然災害に対してもっと安心な国土を作るにはどうしたらいいのかを議論し、防災、減災の指針となる計画を、学術的な観点から作っていくことが社会貢献になるのではないか」と話し、市町村の防災減災能力の向上に協力・支援していく姿勢を示した。具体的な活動の一つとして「各地域の災害の歴史をまとめて示すことで、対策の必要性を考えてもらえる」と語った。
 
提供:建通新聞社