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中央ニュース

2014/01/21

社会資本の点検・診断 資格制度の検討本格化へ 民間資格の評価機関設置も 国交省

 国土交通省は、社会資本の点検・診断に関する資格制度の確立に向けた検討を本格化させる。高度成長期に建設された社会資本の老朽化を解消するためには、点検・診断を行う技術者のレベルを担保して精度向上を図る必要があるが、現在、民間・大学機関などが個別に行っている資格制度は体系化までには至っていない。同省では、民間資格を評価する公的な機関を設けることで、点検・診断の技術水準を確保することなどを考えている。
 点検・診断に関する資格制度の確立は、昨年末に社会資本インフラメンテナンス戦略小委員会がまとめた答申に盛り込まれた。国交省はこの答申を踏まえ、社会資本整備審議会・交通政策審議会の技術部会を開いて、小委員会の答申を踏まえた今後の方向性や検討体制を決める。
 社会資本の老朽化をめぐり政府は、昨年11月に関係省庁連絡会議がまとめた「インフラ長寿命化基本計画」で、国・地方のインフラ管理者が定期点検や診断を行う体制を早期に構築する目標を打ち出した。国交省も、道路法に基づく点検要領を策定し、自治体に道路橋やトンネルの定期点検を行うことを義務付ける予定だ。
 ただ、技術職員が不足する地方自治体などでは、点検・診断を行う体制が整っていないところも少なくない。国交省のアンケート調査によると、都道府県・市町村の約6割が点検業務を外注しているが、点検・診断に関する民間資格は制度として確立しておらず、受注側の技術レベルにもばらつきがあるのが現状だ。
 社会資本メンテナンス戦略小委員会の答申では、こうした現状を踏まえ、資格制度を確立する必要があると指摘し、民間・大学機関が行っている民間資格の活用や新たに必要な資格を検討すべきと提言した。具体的には、公的機関を設け、民間資格を評価する枠組みなども提案している。資格制度を確立させた上で、将来的には、資格取得者に点検・診断業務を履行するよう推進する。

提供:建通新聞社