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2014/01/20

災害廃棄物対策に遅れ 仮置き場の準備などに課題 環境省、自治体を調査

 災害廃棄物に関する自治体間の災害協定の締結、運用の実効性の確保や廃棄物の仮置き場候補地の選定など、災害の発生を想定した廃棄物対策が進んでいない―。環境省が全国の都道府県と市町村を対象に行った災害時における廃棄物処理対策調査で、東日本大震災の教訓についての情報共有や、今後の震災対策に生かす姿勢が不十分であることが浮き彫りとなった。
 調査は、巨大地震発生時における災害廃棄物対策に役立てようと、自治体の災害廃棄物対策の現状把握を目的として行った。調査票の回収率は都道府県95・7%、市町村87・7%。
 調査結果によると、47都道府県のうち都道府県内の市町村と災害協定を結んでいるのは全体の31%、うち訓練などを定期的に行っているのは29%で、他の都道府県や都道府県外の市町村と災害協定を結んでいる都道府県は29%、うち訓練などを定期的に行っているのは8%にとどまっている。また仮設トイレを保有している都道府県は全体の29%、簡易トイレを保有しているのは全体の53%。
 市町村間のうち、災害協定を結んでいるのは全体の19%で、うち訓練などを定期的に行っているのは11%だった。産業廃棄物協会や産業廃棄物処理業者と協定を結んでいる市町村は全体の9%、地元の建設業協会や建設業者と協定を結んでいる市町村は全体の20%にとどまっている。また仮設トイレを保有している市町村は全体の33%、簡易トイレを保有しているのは全体の47%だった。  巨大地震の発生に備えた災害廃棄物の仮置き場や集積場確保に向けた準備の遅れも目立つ。
 市町村全体の67%は仮置き場や集積場の候補地リストを持っておらず、両方または一方の候補地リストを有する市町村は、全体の32%にとどまっている。
 廃棄物処理施設の再稼働が必要になるケースを想定した準備も不足している。自家発電設備を有している施設は全体の9%に過ぎず、災害の発生を想定して協定を締結している施設は、資材メーカーと協定を締結しているとした施設が全体のわずか2%、設備メーカーが3%にとどまっている。

提供:建通新聞社