国土交通省は17日、「社会インフラのモニタリング技術活用推進検討委員会」を開き、今後、社会インフラの構造・特性ごとにワーキンググループ(WG)を設置し、モニタリング技術に求める役割や性能について、より具体的に整理・検討することにした。ニーズの優先度が高い分野で、適用性と効果を検証するためモニタリング技術を公募。2013年度内に公募結果を報告するとともに、現場実証の進め方を決める。
国土交通省では、社会インフラの維持管理の高度化、効率化を図るため最新のモニタリング技術を導入していく考えで、17日はセンサー技術や情報通信技術の現状について各分野の専門家らの意見を聴くとともに、社会インフラを効率的・効果的に維持管理する上でのモニタリング技術に対するニーズを説明した。
モニタリング技術に求める内容としては、目的に応じた計測内容、箇所、頻度、精度、信頼性、耐久性などを挙げた。また、対象分野を▽橋梁▽港湾施設(桟橋、岸壁、防波堤)▽トンネル▽斜面(法面)▽河川堤防▽ダム▽空港施設(舗装、その他構造物)―とし、それぞれの分野でニーズの優先順位付けを示し、モニタリング技術に求める内容を具体化した。例えば、桁端部の鋼材腐食については、鋼材肉厚の減少量を把握するための測定精度、測定範囲、測定の頻度などとした。
優先度は@類似する構造・材料のインフラが多数存在し、共通性・汎用性があるものA維持管理の課題で特にモニタリング技術に期待するもの―と設定。公募方法はインフラの種類ごとに設置するWGで検討する。公募条件は@計測したいひずみや振動などの項目を把握できる技術が確立していることA費用は提案者が負担するB計測技術、通信技術、分析技術を組み合わせてシステムとして提案できる者(複数企業の組み合わせも可)―とし、できるだけ多くの技術を採用して検証していく考え。
協議会は2014年度も継続し、モニタリングデータの分析方法・体制の検討、現場実証の状況報告、モニタリング技術に対するニーズの精査、公募第二弾での考慮事項の検討などを予定している。
提供:建通新聞社