UR都市機構が、震災復興市街地整備事業に導入している「民間(受注者)と連携したマネジメント」(いわゆるCM方式)など、新たな取り組みの運用改善に向けた検討がスタートした。機構をはじめ、国土交通省や有識者、建設業団体など13人の委員(事務局含む)で構成する「マネジメントを活用した事業推進検討会」の初会合が、12日に横浜市中区の機構本社で開かれ、今後の取り組みの方向性について意見を交わした。CMなど新たな取り組みは、地元市町村から好評を得ている一方、煩雑な事務量の軽減などが課題に挙げられた。今後数回の会合を経て、2013年度内に検討成果をまとめる。
URでは震災復興市街地整備事業のスピードアップや透明性の確保の観点から、民間と連携したマネジメントの実施(CM)や、コストプラスフィー契約、オープンブックの導入、地元企業の優先活用などの新たな取り組みを進めている。今回、次年度以降の導入に向けて、課題の分析と改善の方策について検討することにした。
初会合では、URが震災復興市街地整備事業で取り組んでいるCMなどの新たな取り組みの現状を報告。現段階で、事業のスピードアップなどに一定の効果があったと説明した。国交省から参加した委員は、国交省による地元市町村からの聞き取り調査結果でも、制度の有用性を認める声が寄せられたと述べた。
一方で、受・発注者ともに煩雑な事務量の軽減に目を向けていく必要性がある、との指摘があった。それに関連して、委員からは国土交通省東北地方整備局で試行しているASP方式による情報共有システム(ASP)の活用などが紹介された。
次回、14年1月の第2回検討会では具体的な改善方策について話し合う。その後、必要に応じて会合を開き、14年3月末に検討成果をまとめる。
検討会は会長職を置かずに、UR都市機構の廣兼周一理事長代理が特別委員に、東京大学大学院の小澤一雅教授が学識者の委員として参加。そのほか、国交省、日本建設業連合会、建設コンサルタンツ協会、都市計画コンサルタント協会、URの各委員で構成する。
提供:建通新聞社