太田昭宏国土交通相は4日、東京都北区の中央工学校で「国づくりを担う若者への期待」をテーマに講演した。太田国交相は集まった同校の学生約350人に対し「脆弱(ぜいじゃく)な国土である日本を強くするためには土木や建築に携わる若い力が必要だ」と呼び掛けるとともに「防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化など、君たちが活躍する場は大きく広がっている」と激励した。
同校は、土木・建築コースなどを抱える専門学校で、2009年に創立100周年を迎えた。田中角栄元首相が卒業し、校長を務めていたことでも知られている。今回の講演は、将来の建設産業を担う学生を直接激励したいという太田国交相の意向で実現した。
太田国交相は「現在、政府が直面している、福島第一原子力発電所の汚染水漏洩、ゲリラ豪雨被害、東日本大震災からの復興、JR北海道などの問題は、土木・建築の技術と若い力がなければ解決し得ないものだ」と参加した学生に訴えた。2020年の東京五輪開催についても「脆弱な国土を強くすることが究極の『おもてなし』につながる」と持論を展開した。
また、今後の公共事業についても「わたしは2013年を『メンテナンス元年』と呼び、老朽化対策を公共事業の中心に据える方針を示している」と述べた上で「日本が世界で一番優れたメンテナンス技術を持てるよう、技術革新に取り組んでいく」などと話した。
提要:建通新聞社