復興庁は29日、東日本大震災復興特別会計に総額2兆6957億円を要求する2014年度予算の概算要求をまとめた。前年度比7・2%の減額だが、中間貯蔵施設の整備費などを必要に応じて追加要求するとしており、要求額を積み増す余地を残した。復旧・復興に向けた公共インフラの整備に1兆6780億円、除染に3341億円などを充てる。復興特会は、復興庁所管の2兆6957億円に他府省所管の9420億円を加えた3兆6377億円(事項要求含む)となる。この復興特会には、復興庁の所管分外となる防災・減災事業に活用される全国防災事業に1880億円が計上されている。
復興庁所管分では、本格的な復旧・復興に向けた公共インフラなどの整備を事業計画や工程表に沿って推進する。地方自治体の復旧・復興事業を支援する東日本大震災復興交付金に5155億円、被災した海岸堤防、農地・農業用施設、上水道、学校などを復旧する災害復旧事業に7749億円、三陸沿岸道路などの復興道路と復興支援道路の整備に1578億円を計上した。
農地・農業用施設や拠点漁港の生産基盤の整備には662億円、社会資本整備やソフト事業を総合的・一体的に支援する社会資本整備総合交付金には853億円を盛り込む。災害廃棄物処理については、目標としていた14年3月に処理を終えることが困難な福島県の一部地域を対象に253億円を要求。国直轄・市町村nの除染には合計3341億円を確保した。
この段階では金額を明示しない事項要求としては▽消費税率引き上げに伴う被災者向け給付措置▽中小企業組合等共同施設等災害復旧事業▽中間貯蔵施設の整備▽国有財産の除染―などを挙げ、必要に応じて追加要求する。
全国防災事業の使途は、緊急に対応が必要な学校の耐震化事業、津波被害が懸念される地域の公共事業に限定するとし、各府省が1880億円を要求している。
提供:建通新聞社