国土交通省は、2014年度の税制改正要望をまとめた。消費税引き上げに伴う住宅着工戸数の落ち込みを防ぐため、既存建築物(非住宅)の耐震・省エネ・バリアフリー化などの改修工事に対する特例措置を創設し、建築投資の活性化を図るとしている。14年3月末までとされている新築住宅の固定資産税の減額措置については、適用期限を2年間延長するよう求める。
新築住宅着工戸数は、リーマンショック後の2009年から低迷が続いていたものの、徐々に回復傾向にある。ただ、国交省では、14年4月に予定している消費税の引き上げの影響などで、14年度は前年度比で9%減少すると推計している。
このため、今回の税制改正要望では、非住宅の改修を促進するため、所得税、法人税、法人住民税、事業税、固定資産税を対象とする特例措置の創設を求めた。具体的には▽改正耐震改修促進法で耐震診断が義務付けられた建築物の耐震改修▽増改築時に省エネ措置の届出が義務付けられる建築物の省エネ改修▽増改築時に建築物移動等円滑化基準への適合が義務付けられる建築物のバリアフリー改修―に対し、特例措置を設けるとした。
経済成長に貢献する措置として、12月に決定される税制改正大綱に先行し、今秋までに結論を出す可能性もある。
新築住宅の固定資産税の減額措置については、消費税の引き上げに加え、住宅の一次取得者の中心である30代の平均年収が一貫して減少していることを踏まえ、一般住宅で3年間2分の1減額、中高層住宅で4年間2分の1減額としている減額措置の適用期限を16年3月末まで2年間延長することを要望した。
このほか、構造耐力が不足している老朽化マンションの建て替えを促進するため、決議反対区分所有者への売渡請求や権利変換に関する税制特例の創設を求めるほか、都市機能(医療、福祉、商業)などの集約化や計画的な配置を促す民間事業者への課税の特例措置を新規で要望する。
提供:建通新聞社