国土交通省は27日、富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)の機能拡充と建て替えについて議論する「富士教育訓練センターの充実強化の具体化に向けた検討委員会」の初会合を開いた。検討委では、富士教育訓練センターにおける技能労働者や技術者に対する体系的な教育訓練の在り方を話し合うとともに、三田建設技能研修センター(兵庫県三田市)など他の訓練施設との機能分担やネットワーク化なども検討する。2014年度末までに建て替えに着工することを目指し、年内に施設機能の基本的な方向性をまとめる。
富士教育訓練センターをめぐっては、国交省の担い手確保・育成検討会や施設を所有する建設業振興基金の有識者検討会が施設機能の拡充について提言しているほか、7月に同センターを視察した太田昭宏国交相も「年内までにどういう方向で充実・拡充するか結論を出す」と発言していた。
こうした動きを受けて設置された検討委には、施設を所有する振興基金、運営主体である全国建設産業教育訓練協会、元請け団体と専門工事業団体の代表者、学識経験者者らが参加。完成から50年が経過して老朽化が課題になっている同センターの建て替えに合わせ、建て替え後の施設機能などについて意見を交わす。
初会合では、今後の検討委で、同センタ―で行っている教育カリキュラムを技能労働者や技術者に対する体系的な教育訓練、入職促進や新人・中堅向けの教育訓練など、施設を使用する企業・団体・教育機関などのニーズに沿った内容に再構築する方針を確認。三田建設技能研修センターをはじめとする他の訓練施設との連携・協力やネットワーク化も検討することにした。
建て替え後の新たなセンターの位置付け、機能・研修内容を踏まえ、老朽化した施設のハード面の充実・強化も議題とする。
現在のセンターの規模は、本館などの建物が総延床面積約1万平方b、実習に使用する屋内施設が総延床面積約1500平方b、屋外施設が総延床面積2万5000平方b。全ての施設が1963年以降に順次建設されており、完成から35〜50年が経過、老朽化が進行している。
提供:建通新聞社