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2013/08/28

「建設業の持続経営必要」 国交省・増田事務次官 解決策は「公共投資の安定確保と価格競争の是正」

 国土交通省の増田優一事務次官は27日、建設専門紙などの就任インタビューに応じ、社会資本の老朽化対策を重点的に進める中で「地域の守り手である建設業の役割はますます重要になる」との考えを語った。「建設業の持続的な経営を実現する環境を整える必要がある」とした上で「公共投資の安定的な確保と、過度な価格競争が行われている入札契約制度の是正が必要だ」との認識を示した。
 増田事務次官は、地域の建設業について「身近な社会資本の維持管理にとどまらず、災害時の応急対応など守り手としの役割が増している」と述べる一方で、「建設投資はここ10年で半減し、各企業の持続的経営環境は損なわれている」と危機感を示す。
 こうした課題を解決するため、公共投資の安定的な確保が必要だとの認識を示した上で「それぞれの地域でどの程度の投資が見込まれるかを明示し、担保しなければならない」との考えを強調する。
 しかし、現在は公共投資のベースになる中長期計画もないことから「業界とともに今後の公共投資の在り方を議論し、方向性を見出さなくてはならない」と述べる一方、自民・公明両党が先の通常国会に提出した「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」について「成立すれば公共投資の中長期的な見通しを立てられるのではないか」と期待感を示した。
 昨年12月の笹子トンネル天井板崩落事故を契機とする社会資本の老朽化問題については「13年度中に地方自治体の施設を含めた総点検とそれに基づく修繕を終える」と説明。「社会資本全体のデータベースを構築し、各施設の長寿命化計画を策定した上で効率的な管理を進める」とした。
 その一方では「老朽化しているのは民間資本も同様。10年後、20年後を見据え、マンションのストック管理に向けた枠組みを真剣に考える時期を迎えている」と指摘。「維持管理も国内需要の一端を担う。新たな市場を生み出すといった前向きな姿勢で取り組んでいきたい」と述べた。

提供:建通新聞社